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◇医療機関
まず、代表的な病棟の様子を紹介したい。
廊下は概ね広くて、明るくて、さりげなく絵が飾られているところも多い。各病室の中には手洗い設備があり、ディスポの手袋や注射器などが常備されている(写真:未掲載)。また、治療や看護・介護に使った手袋や汚染物などを捨てるためのごみ箱や、使用済みの注射針や注射筒を捨てるための容器も常設されている(写真未掲載)。持ち込まない、持ち出さないという思想が徹底されている。
このような措置は、『Universal Precaution』と呼ばれている。普遍的な予防措置という意味だが、HIVに感染しているかどうか、あるいはC型肝炎かどうかを見てから個別に対処するのではなく、HIVを含むあらゆる感染源が『あること』を前提に治療や看護・介護が行えるような体制を整えるということ。また、その方が経済的であるとの報告も出ている※1。
ある病院の病室の入口で、入院患者の症状によって内容を交換できるように工夫された掲示板を見かけた(写真未掲載)。この場合、来訪者は手洗いとマスクが義務づけられている。念のために申し上げると、これは、来訪者にHIVがうつらないようにという意味ではなく、免疫力の低下した入院患者に来訪者の雑菌をうつしてはいけないという配慮。
1)Lawrence VA, Gafni A, Kroenk K. Preoperative HIV testing:
 Is it less expensive than universal precautions? J Clin Epidemiol 1993; 46(11): 1219-1227.



□Whitman・Walker Clinic Inc (WWC)
□1407 S Street, NW, Washington, DC 20009
□Tel 202.797.3590 Fax 202.797.3504
'73年に設立されたゲイ男性のための無料性病クリニック(Gay Men's VD Clinic)が前身。現在は事業を拡張し、HIV/AIDSのための総合クリニックとして、ワシントン都市部のAIDS患者の2/3に対して何らかのサービスを提供している。
'94年度の予算総額は1,400万ドル、半分が行政からの支援、残りは寄付で賄われている。180人の職員に加えて2,000人のボランティアが関与。ボランティアの寄与は、年間750万ドルと見積もられている。
WWCの新しい施設として'93年に開設したエリザベス・テーラー※1・メディカル・センターでは、比較的対応の遅れている歯科・眼科領域を充実させ、年間約22,000件の外来に対応する。
米国内外からの視察も頻繁なようで、見学コースや資料も充実している。
1)女優のエリザベス・テーラーは有名なAIDS篤志家(AIDS Activist)。



□Family Care Center, Harlem Hospital Center
□506 Lenox Avenue, New York, NY 10037
□Tel 212.939.2375 Fax 212.939.4015
母子感染によるHIV感染も深刻な社会問題。
写真(未掲載)は、ハーレム・ホスピタルの小児AIDS病棟で撮影したもの。写真の後ろ側には、投薬や点滴を受けながら遊戯室で遊んでいる子供たちが大勢いる。
遊戯室はとても明るい雰囲気で、母親や父親と遊ぶ子供たち、両親が既にAIDSで亡くなっている場合には、里親やボランティアと無邪気に遊ぶ子供たちがそこにいる。そして、子供たちを慰めるために、こうしてピエロが訪れる。
写真(未掲載)は、ハグして、抱きしめて、病気なんかうつらないよ..と訴える子供の有名なポスター。HIVに感染しているからといって、誰にも抱きしめてもらえずに生きていける子供など一人もいない。

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